習い事の教室、会員制のスタジオ、ワークショップやツアーを運営する方へ生徒と参加者を迎える前に、
規約で決めておくこと
習い事の教室、会員制のスタジオやコミュニティ、ワークショップや大会、合宿や海外のプログラム。人を集めてサービスを提供する事業の規約は、ひな形の空欄を埋めれば終わり、というものではありません。会員規約と入会案内の数字の食い違い、LINEで受ける申込みの成立の時点、語学教室にかかる特定継続的役務提供の書面とクーリング・オフ、月謝や回数券の返金、講師の遅刻やイベントの雨天中止、休会と退会と除籍、発表会の衣装代、ツアーの取消料と旅行業法、事故の免責、子どもの受講と保護者、写真や録画の同意、講師やスタッフとの業務委託、スタジオや予約サイトの契約まで、決めておくことが数多くあります。このガイドでは、アトラス行政書士法人がこれまで作成・レビューしてきた教室の会員規約・受講契約書・入会申込書、語学教室の概要書面・契約書面、イベントや海外プログラムの参加規約、大会規約、講師との業務委託契約書、スタジオの利用契約書などの実例と、条文の一次確認をもとに、教室やイベントを運営する方が押さえておきたいことを、テーマごとに詳しく整理しています。
教室を開く方

書類を分けて、成立の時点を一つに決める
会員規約・重要事項説明書・入会案内・入会申込書は役割を分け、規約を基準に数字と表現をそろえます。口座振替なら前納の月数と成立の時点をあわせて決めます。
サイトやLINEで申込みを受けるなら、条件をまとめた確認と、決済の完了で成立させる順番を規約に書きます。
語学教室を運営する方

2か月・5万円を超えるコースの書面を整える
語学の教授は特定継続的役務提供の指定役務です。対象のコースには、概要書面と契約書面、クーリング・オフ、法定の上限の範囲での中途解約がかかります。
オンラインで完結する教室なら、電子交付の承諾の手順と、月払いが月謝か総額の分割かもあわせて決めます。
月謝と返金を整えたい方

返金の場面を分け、月謝の対価を条文に書く
「理由の如何を問わず返金しない」は、教室の都合による休講まで含むと読まれます。利用者の都合と事業者の側の事情を分け、返す場面は算式で決めます。
回数券・チケットは、未使用分の上限と有効期限で、法律の境界を越えない設計にします。
イベント・ツアーを主催する方

取消料・中止・旅行業法の線引きを先に決める
最少催行人数の判断日、悪天候の中止の基準、取消料の区分と精算を、参加規約と募集要項に分けて書きます。
宿泊や送迎を組み込むなら、旅行部分の申込みと代金を誰が受けるかを決めてから規約を作ります。
子どもが通う教室の方

契約者と保護者、写真と送迎のルール
保護者を契約者にし、子どもを受講者として届け出てもらう形にすれば、未成年者の取消しの問題を避けられます。
写真の掲載は可・不可を選んでもらい、送迎と引渡しの場所、健康の申告の手順も規約に書きます。
講師・スタッフに仕事を出す方

講師契約・現場の委託・退会後の名称
講師との業務委託は、別紙の行動規範、特定した報酬、期間を限った勧誘の禁止で組み立てます。
辞めた後に使えるもの(個人の技能)と使えないもの(教室の名称・技術体系・生徒)を分けて書きます。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
英会話教室やピアノ教室は、特定継続的役務提供に当たりますか?
英会話などの語学の教授は指定役務で、提供期間が2か月を超え、支払う金銭が5万円を超える契約なら対象です。ピアノ・ダンス・ボイストレーニング・着付けなどの教室は、指定された7つの役務に入っていないため、期間や金額にかかわらず対象外です。対象外でも、通信販売の表示や消費者契約法、自社で分割して受け取るなら割賦販売法はかかります。
「月謝は理由の如何を問わず返金しません」と書いてもよいですか?
生徒の都合でやめた場合と、教室の都合で休講した場合を区別していないため、教室の側の事情で提供できなかった分まで返さない部分は、消費者契約法で無効とされるおそれが高くなります。返金の場面を分け、月謝が何の対価かを条文に書き、返す場面は算式で決めます。
人数が集まらないときや雨の日に、イベントを中止できますか?
最少の数、数え方、判断する日時と通知の方法、悪天候の判断の基準を規約に書いておけば、約定どおりの中止として扱えます。中止のときは振替か返金かを参加者が選べるようにし、参加者が手配した旅費を負担しない場合は、その条件も事前に示しておきます。
子どもの教室では、誰を契約者にすればよいですか?
保護者(親権者など)を契約者にし、子どもを受講者として届け出てもらう形が分かりやすい方法です。未成年者が保護者の同意なく結んだ契約は取り消すことができ、「同意があったものとみなす」と書いても取消権は消えません。
レッスン風景や発表会の写真をSNSに載せるには、どうすればよいですか?
撮影(記録)、参加者の間での共有、ホームページやSNSへの公開を分け、公開は申込みの一括の同意とは別の、いつでも撤回できる同意にします。子どもの写真は、入会の時に可・不可を選んでもらう方式のほうが、後から同意の有無で争いになりにくくなります。
このサイトの解説は一般的な情報です。ご自身の事業に当てはめた確認や、契約書・規約の作成をご希望の方は、運営事務所のご案内をご覧ください(相談無料)。
運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日